建築物の耐震診断について
平成7年の阪神淡路大震災において、新耐震設計法以前の建築物の被害が著しかったのに鑑み、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が施行され、防災拠点、避難施設となる建築物を中心に、耐震診断と耐震改修が進められております。
本会では、平成7年の夏から県関係各課と協議を重ねて対応を進めてまいりました。
耐震診断業務は、所定の診断ソフトを使用すれば誰でも簡単に診断ができるというものではなく、構造上の専門的な判断なしには適正な診断を行うことは難しいと構造専門家から指摘されております。
そのため本会では、耐震診断業務は通常の業務委託とは異なる性格のものであると考え、建築物の安全確保に関する調査研究事業の位置づけの中で、会として耐震診断業務を受託することを決め、本会に所属する構造技術者を中心にワーキンググループを編成し、会員のうち業務担当を希望する技術者を対象に業務実施態勢の整備を進めました。
構造専門家の指導を受けながら業務内容についての調査・研究と現場調査の方法、耐震診断ソフトの習熟などについて研修を重ねるとともに、実務マニュアル、報告書式、関係資料の発行と頒布、検査器材の購入などを行い、受託業務については本会検査部会委員により診断内容のチェック態勢も整えております。
また、随時、県判定委員会委員の先生方の指導を受けて、調査・診断技術の向上と業務の適正・円滑なる実施に努めております。
平成14年度からは、県下学校施設のうち耐震診断未実施施設について、定期的に相談会を開催して、簡易診断方式により、診断順位や改修計画の方向付け等のため協力しております。
本会で受託した耐震診断業務実績(平成8年度~)
発注先
県、市町村、一部民間
建物種別の診断実績
学校施設を中心に1000棟余